日本養液栽培研究会 | Hydroponic Society of Japan

ハイドロポニックス 第35巻 第1号 要約

特集:日本野菜育苗協会の紹介

綿貫 雅夫

当協会の設立から活動内容などを紹介致します.まだまだ知名度の低い当協会ではございますが,関係機関の皆様からご教示頂きながら,育苗業界・農業界がより一層,発展できますよう精進して参りたく存じます.皆様には,引き続き,ご理解とご支援,ご協力を賜りますよう,心よりお願い申し上げます.

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特集:育苗業界の課題と施設園芸の未来

竹内 勝

(株)九州野菜育苗センターで導入された新技術を用いた最新の野菜苗生産の現場についての紹介.導入にいたる背景と最近の苗の購入トレンド,今後の取り組みについて寄稿.

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特集:コロナ禍の向こう側

羽月 政裕

新型コロナウイルス感染症に伴う自粛生活,所謂巣ごもり需要によって家庭園芸市場は活況という.事実,園芸用品の主たる販売者であるホームセンター各社の園芸部門業績も前年比で100%を大きく上回っており,これを裏付けている.この事象を,消費者側から読み解くべく,弊社では消費者アンケート調査を実施した.その結果を紹介しながら、コロナ後の家庭園芸市場を考察する.

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特集:種子繁殖型イチゴの苗生産の現状と今後の展望

江澤 祥太

「ミヨシグループ」では種子繁殖型イチゴ品種の新品種の開発から既存品種である「よつぼし」の生産・販売を手掛けている。全国普及品種の第1号である「よつぼし」は販売本数を伸ばし栽培範囲は拡大傾向にある。苗生産においては、種子繁殖型イチゴの特徴を活かした管理を行ない、無病害虫の苗生産を心掛けている。また2020年に日本の民間企業として初となる種子繁殖型イチゴ「ベリーポップシリーズ」として「はるひ」(MYAGFRA-1)と「すず」(MYAGMIE-1)の2品種を品種登録出願した。今後、種子繁殖型イチゴのさらなる普及拡大を目指していく。

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事例紹介:温泉熱を活用したパプリカの周年出荷体系(次世代施設園芸・大分拠点の紹介)

山田 晴夫

 大分県九重町の(株)タカヒコアグロビジネスは,全国10箇所の次世代施設園芸拠点のひとつとして,標高約700mの準高冷地帯を活かした夏秋型(4~12月収穫:1.2ha)と冬春型(11~7月収穫:1.2ha)の2作型の組合せで,細霧冷房及び天井塗布剤による遮光資材を活用した高温対策,温泉熱(熱交換方式)を活用した加温を行い,パプリカの単収20tを超えた周年出荷をベースに安定雇用,有利販売を実践しています.

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事例紹介:無洗浄で食べることができる植物工場野菜の実現に向けた紫外線殺菌装置の運用方法の検証

岡 理一郎

 食品加工業者等において無洗浄で食用可能な野菜に対する需要は高い.完全閉鎖型植物工場では適切な管理ができていればそれを実現できる可能性があり,露地野菜に対して大きな強みとなる.植物工場iCubeにおいて,上記目的のために植物工場野菜に付着する一般生菌数を一定未満にする取り組みを行っており,養液殺菌用に紫外線殺菌装置を導入した.本記事では紫外線殺菌装置を導入する際に考慮した項目や今後の展望について説明する.

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内外のニュース:第88回日本養液栽培研究会・山口大会(オンラインツアー)

鶴山 浄真

第88回山口大会のオンライン開催に関する報告

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内外のニュース:オンデマンド特別講習会「イチゴ栽培」

遠藤 昌伸

2021年3月より日本養液栽培研究会HPにて公開されているオンデマンド特別講習会について紹介する.講習会では,環境制御や養液栽培の基礎理論,特にイチゴ栽培における環境制御の考え方や培養液管理の考え方について解説している.

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内外のニュース:第90回オンデマンド大会 「データが語る養液栽培・環境制御の新技術」について

深山 陽子

令和3年7月から1か月間行われた第90回オンデマンド研究会の概要を紹介した。本研究会は3企業から4つの紹介動画が本会HP上にあげられ、それを会員が視聴する形で行われた。
いずれもデータに基づいた施設環境改善や成育・収量向上につながる技術であり、オンデマンドではあるが、会員にとって有意義なものであった。

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研究の紹介:高糖度・高機能性トマト栽培システムの開発と実用化

大石 直記

ココヤシ培地を充填したポット栽培と植物重量を指標とした給液制御システムを組み合わせることで、高糖度・高機能性(高GABA)のミディトマト養液栽培システムを開発した。本栽培システムによって、糖度8%以上、GABA50mg/Fw以上のトマトが生産できた。本システムは県内外での実用栽培が開始されている。

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研究の紹介:低段栽培の普通および高糖度トマトの乾物生産

伊藤 瑞穂

宮城県山元町で行った低段栽培による普通・高糖度トマトの実証周年栽培データを用いて、乾物生産解析を行った。光利用効率は長段栽培と同様にCO2濃度が上昇すると有意に向上し、短期間の栽培であってもCO2の施用は有効であった。また、高糖度トマトでは乾物生産の低下は見られなく、乾物率のみが向上することで、果実糖度が向上していた。今後生育・収量予測ツールが低段栽培でも利用できるようになると考えられる。

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研究の紹介:赤色LED照射装置による大阪府における施設ナスおよびキュウリのミナミキイロアザミウマ防除

大石 直記

抵抗性を獲得した害虫であるミナミキイロアザミウマについて,薬剤以外の防除法の一つとして,近年赤色光による本虫の防除法が開発された。そこで,ミナミキイロアザミウマの生態を説明するとともに,赤色LED照射装置を利用した本種の防除方法について紹介する.

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新製品の紹介:イチゴ栽培用LED・閉鎖型イチゴ水耕栽培 システム「Roomberry」の紹介

吉永 孝行

協和株式会社は水気耕栽培装置「ハイポニカ」を製造販売している.ハイポニカは湛液水耕栽培装置であり,植物の潜在能力を引き出すために根圏環境を安定化する機能を備えている.1粒のトマトの種を樹のように生育させて1年間で15,000個以上のトマトの果実を収穫する水平放任栽培が知られている.本稿では当社の新製品イチゴ栽培用LEDおよび閉鎖型植物工場用イチゴ水耕栽培システムについて紹介する.

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新製品の紹介:みどりクラウドによる新たなサービスの紹介

持田 宏平

(株)セラクでは、2015年11月から農業ITプラットフォーム「みどりクラウド」の提供を行っている.当初は環境モニタリングに特化し,機能を限定することで高い利便性を実現し,低コストで環境モニタリングを開始できることをコンセプトとして提供を行った.提供開始から5年の間に,さまざまな環境や栽培方式への対応や,より活用していただくためのオプションの追加を行ってきた.今回は,こうしたみどりクラウドをより活用するために現在提供している製品・サービスを紹介する.

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連載:やさしく解説!植物生理学 第三回 植物の細胞

福田 直也

植物が生きる仕組みを学ぶ植物生理学を連載記事として解説する.第三回は,植物細胞内の小器官について,その基本的な働きも含めて紹介する.

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海外文献の紹介:NDT,地中海気候に適した培地のない新しい養液栽培システム

高瀬 萌衣

NFTの欠点を排除し,培地コストもかからない培地を用いない新しい養液栽培システムを開発することを目的とした.1%傾斜させたW型のチャンネルにPEシートおよび0.1mmメッシュの遮根シートを敷き,この上に植物体を定植し,さらにその上に点滴チューブを設置して,底面のPEシートおよび遮根シートで全体を覆った.このようなシステムをNDT(Nutrient drip Technique)と命名し,トマトおよびキュウリの栽培を試みた.その結果,いずれの作物においてもNFTよりも植物体の水利用効率が向上して葉数および葉面積の拡大が促進された結果,収量増加につながった.

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海外文献の紹介:養液栽培による茎挿し木苗を利用したトマト生産

斎藤 優

NFTの欠点を排除し,培地コストもかからない培地を用いない新しい養液栽培システムを開発することを目的とした.1%傾斜させたW型のチャンネルにPEシートおよび0.1mmメッシュの遮根シートを敷き,この上に植物体を定植し,さらにその上に点滴チューブを設置して,底面のPEシートおよび遮根シートで全体を覆った.このようなシステムをNDT(Nutrient drip Technique)と命名し,トマトおよびキュウリの栽培を試みた.その結果,いずれの作物においてもNFTよりも植物体の水利用効率が向上して葉数および葉面積の拡大が促進された結果,収量増加につながった.

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