多量要素は混ぜ順番は関係ないようですが、攪拌機等を利用して完全に溶かしてから次へ移る必要があります。
但し、溶解度から見ても多量要素では、硫酸カリが一番溶けにくいので、最初に硫酸カリを溶かす方がよいです
(硫酸カリはできれば使わない方がよい)。
(参考事例:バラ、400gタンク)
1号タンク 硫酸マグネシウム20kg投入 水 200g給水 攪拌 りん酸1カリ 13.5kgを数回に分け別容器で溶かし投入 硝安 4kg(2kg)を別容器で溶かし投入 水位が400リットルになるまで給水 微量要素を入れながら(4〜5リットル)攪拌 2号タンク 硝酸石灰 50kgを数回に分け別容器で溶かし投入 硝酸カリ 25kg 〃 キレート鉄 1.23kg 水位が400gになるまで給水 攪拌 |
また2号液に硝酸を少し入れると赤くやや濁った色(キレート鉄と硝酸カリの反応?)から黄色で透明感のある色に変わります。
微量要素は、1回の使用量が少ないので大量に(共同で)作る方が楽ですが、毎回必要量を原液タンクに投入する方法もあります。
なお、微量要素の混ぜ方については、印刷した際に下記のような混ぜる手順が書かれているのでそれに沿って作成して下さい。
(注)微量要素は混ぜる順番を間違えないよう注意して下さい。
ほう酸 |
→ |
硫酸亜鉛 |
→ |
硫酸マンガン |
→ |
硫酸銅 |
→ |
モリブデン酸ナトリウム |
(注)完全に溶けてから次へ移ること。 ※別の容器で溶かしておく
なお、ホウ酸が一番溶けにくいので、温水(80℃程度)で溶かしながら溶けた分だけ上澄み液を他の容器に入れ、溶けなかった分にさらに温水を入れて撹拌しながら溶かし、同じく溶けた分を他の容器に入れます(この時硝酸61%を入れても溶解は早くならない)。これを数回繰り返して完全溶けてから、次の硫酸亜鉛へ移ります。硝酸を少量入れるのは、溶解度を高めるためであり、撹拌して十分溶ければ入れなくてもよいです(硝酸61%は濃度が高いので取り扱いに注意)。
モリブデン酸ナトリウムは、粉のまま入れると白濁しやすいので別の容器で完全に溶かして混ぜます(但し、白濁した場合も硝酸61%を0.5ml程度入れると白濁はなくなります)。
また、微量要素の場合単位はppmになっていますが、酸化物かその元素事態の表示か確認しなければ、混合量を間違えて溶けなかったり、過不足を生じることになります。
例えば、大塚A処方表示とBBの入力数字は、MnとBが異なります。
大塚表示 MnO(1.5) B2O3(1.5) Fe(2.7) Cu(0.03) Zn(0.09) Mo(0.03) BB入力数字 Mn(1.16) B(0.465) 〃 〃 〃 〃 |
また、ECが低い濃度の場合は微量要素が欠乏しやすいので通常より多く入れます。
投入量の目安は(標準EC2.5前後の場合)、定植時EC1.0以下で第1回目養液作成の場合は通常入れる量の3倍、EC1.0〜1.3の場合は通常の2倍の量を入れます。EC1.3以上の場合は2倍〜標準量。なお、鉄の分は2号タンクで同等の考え方です。
また、ECが低い場合、重炭酸との関係があるので注意して下さい。
また、20000倍程度の濃い液の場合、養液作成後、ホウ酸が沈殿することがあるので、 10000倍程度が無難であり、さらにタンクに入れる時は再度チェックして溶けていなければ暖めて攪拌し、溶かしてから使用します。